アフターセールスフォース、その先は

03/25/2021

ここ数年、日本国内においてもSaaS(Software as a Service)が注目され、様々なサービスが生まれている。

こちらの記事を見ても、盛り上がりを見せていることが伝わってくる。  

なぜこれほど熱い?BtoB SaaS専門の投資家・前田ヒロが注視する「2つのSaaS領域」

数年前まではIT業界では耳馴染みのないワードであったが、IT以外の業界の人たちと話す上でも共通言語として伝わるようになってきたと感じる。

セールスフォース・ドッドコムという存在

注目されるSaaS企業の中で、その元祖と言っても過言ではない企業はやはり「セールスフォース・ドットコム」であろう。セールスフォースは1999年に創業され、現在では時価総額約1900億ドル(約20兆円)、従業員数は約35,000人と大きく成長し、世界を代表するSaaS企業となった。もちろんセールスフォースの認知が広がったのは企業の成長性や企業価値にも起因するだろうが、SaaSビジネスのバイブル「The Model」の存在も大きいと感じる。
最近の国内SaaS企業では、組織づくりのフレームワークとしてこの「The Model」を踏襲するケースも多く、採用の現場においても「The Model」に沿った採用ニーズが増加している。やはりその中で、理想的な採用ターゲットとして挙げられるのは”セールスフォース・ドットコム出身者”だ。*本稿ではこの”セールスフォース・ドットコム出身者”を”アフターセールスフォース”と呼んでいく。
では、アフターセールスフォースの人々は実際どのようなキャリアを歩んでいるのだろうか。弊社では独自に調査を行ったので、ぜひ参考にしてほしい。

予想通りといえば、予想通り

予想通りだろうが、このような結果であった。

弊社からリーチ可能な情報源に限った話ではあるが、アフターセールスフォース255名の約7割が外資系企業へと転職していた。一般的に外資系企業出身者はこの傾向が強いが、アフターセールスフォースも例に漏れず同様の傾向を示している。

上場企業という壁

また対象者について、別の角度からも分析してみた。多くの転職希望者が1つの判断基準としている、上場しているか、していないのか、という点について、比較した結果がこちらである。

外資企業かどうかに比べると差は小さいが、それでも6割近くのアフターセールスフォースが次の環境として、上場企業を選択している。やはり上場企業の恩恵は様々な場面で出てくるのであろう。また、セールスフォース・ドットコム入社以前にはやはり上場企業に勤めているが多かった。そのため、属性としてそういった上場企業を選択する傾向にある人々が多いのかもしれない。

アフターセールスフォースにとっての未上場ベンチャーという選択

成長企業(ここでは未上場IT企業)、特にSaaS企業では多くの場合、エンタープライズ(大手企業)向けの営業を強化するフェーズがやってくる。様々な狙いがあるだろうが、SMB(中小企業)に比べて、一般的にはアカウント数が多く、高い売り上げが見込め、サービスによっては他部署展開で大きな売り上げを確保できるからであろう。もちろん、ブランディングの側面も期待できる。このフェーズでは大手企業との接点があり、かつSaaSを扱ってきた人間にリードしてほしいと思うのが普通だ。この時、採用の現場ではやはりアフターセールスフォースがターゲットとして挙がってくるケースが多い。では、これまでアフターセールスフォースが国内の未上場IT企業へ転職したケースはどの程度あるのだろうか。下記の結果を見てもらいたい。

なんと、1割程度しか事例がなかった。また、このようなマイノリティな選択をしたアフターセールスフォースは半数以上がキャリアアップで入社しており、セールスフォースと同等あるいは将来的に大きくプラスになるような待遇を得ている。これまでやっていたことをそのままやるだけ、といったキャリアは非常に少数派なのだ。

選択肢はアフターセールスフォースだけではない

これから自社のSaaS事業を伸ばしたい、という企業にとっては直視したくない結果かもしれない。だが、成長しているSaaS企業が必ずしもアフターセールスフォースを採用し、その業績を伸ばしているわけではない。例えば、任せたい業務内容も大体が以下のような項目を挙げていることが多い。

  • 新規リード(大手企業)への提案営業
  • システム導入支援
  • アップセル/クロスセル
  • プロダクトサイドへのフィードバック

こういった業務はセールスフォース以外、SaaS企業以外でも経験が可能だ。不足部分についても入社後のキャッチアップでも十分に対応できる。また、アフターセールスフォースだからと言って、どの企業のサービス/プロダクトとも相性が良いとは限らないし、自社クライアントとの相性が良いとも限らない。もっと言うと外資系SaaS企業出身者である必要もない。大手企業との接点を持ちたければ、SaaS企業における経験はなくとも、そういった企業・部署との接点を持つ人材を採用し、SaaSに対する理解を素早くキャッチアップしてもらえばいい。その方が現実的で、より早く人材を獲得できる可能性もある。Pole&Lineでは、想定される業務内容に基づき、どのような人材であれば活躍頂けるかをなるべく具体的にイメージ・共有することで、1/1紹介の実現を目指している。お困りの企業はぜひ相談してほしい。

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