Case Study 100年の歴史を持つ駿台グループのDXを担うIT企業のエンジニア採用支援(RPO)

エスエイティーティー株式会社

駿台グループの一員として「教育×人×技術」をテーマに、学校向け・企業向けのeラーニングシステムや教材制作サービスを提供する教育ITソリューション企業。駿台100年の教育ノウハウと最新技術を組み合わせ、デジタル化による教育の発展に貢献している。

栗山 悠 様

IT推進事業部 システム管理担当 統括

栗山 悠 様

エンジニアとしてキャリアを積んでいく中で自身が活躍できる領域を広げたいという想いから、20代後半でエスエイティーティー(以下、SATT)に入社。入社後一貫して開発業務の推進を行う一方で、数年前より採用業務も兼務。主に全社のエンジニア採用に横断的に携わっている。

100年間にわたり“愛情教育”という精神のもと、幼稚園から大学までの一般教育、また専門学校を加え、総合的な教育機関へと発展してきた駿台グループ。そのグループの中で、「教育」の発展、「人」の未来、「技術」の進歩のため、質の高い、安心できるIT教育サービスを届けることをミッションとしているエスエイティーティー株式会社様(SATT:Sundai Advanced Teaching Technology)。

Pole&Lineは2022年より3年に渡りSATT社様にRPO(採用代行)サービスをご活用いただき、エンジニアを中心とした採用活動に伴走させていただいています。

デジタル化の推進が難しい教育業界の中でのエンジニア採用。現場主導で進んでいかない採用。多くの課題がある中でPole&Lineが得意とするRPOサービスをご提供させて頂き、少しずつ全社で変化が見られるようになりました。

ご自身がエンジニアとして活躍する一方で採用も手がけるIT推進事業部 システム管理 統括の栗山様に、Pole&LineのRPO担当者2名がお話を伺いました。

教育業界におけるデジタル化の位置付け

−(Pole&Line 杉林):長らく教育業界に携わっている栗山様が感じる、教育業界におけるデジタル化の課題について教えて下さい。

栗山様:

現在の教育業界の課題は大きく2点存在していると思います。ひとつは教育は公共性が高く、収益拡大より学習成果を優先する文化が根強い。その意識の蔓延が市場の成長を阻害しているのではないかと思っています。

もうひとつは、「教育におけるデジタル化には一定の矛盾が存在する」という点です。私は、教育の本質というのは、「人が成長する」ことだと考えています。我々が提供している各種サービスに関してもデジタル化を進めるということは学習コストを下げるということになります。ただ、デジタル化で人を成長させたいが、過度な自動化を進めると教育自体に人の介在余地が無くなってしまう。それは教育現場としては受け入れ難い面もある。そのためデジタル化は縁の下の力持ちとしての立ち位置に配置されやすく、本質的な部分をデジタル化によって解決しにくいことも業界課題だと感じています。

−(Pole&Line 櫻井):デジタルは縁の下の力持ち、なるほどわかりやすい例えですね。私がSATT社様の採用支援をさせていただいている中で、教育業界におけるデジタル化の導入・推進の難しさを感じる場面が幾多もありました。御社が企業や学校向けに教育サービスを数多く展開している中で、栗山様自身が感じた難しさの具体的なエピソードを教えてください。

栗山様:

例えば高校の教職員は我々が想像するよりも遥かに複雑な仕事をこなしています。教職員の業務タスクをシステム化した時にその複雑さに驚かされました。これは教育現場ごとの環境やその時々に起こる事象によってより複雑になるんだと推察します。結果的にデジタルとかシステム云々ではなく、現場を人が自力でまわしている、それが教育のリアルな現場です。
また、それぞれの学校自体が差別化をしていかないと競争に生き残れない。全ての学校が同じことをやるのであればシステムもシンプルで良いのですが、実際には許されているルールの範疇で差別化を図ろうとするので自ずとシステムも複雑化します。このようになかなか中心的な役割を果たせないところに「縁の下の力持ち」になってしまっている現状があると思います。

エンジニアのキャリアからみたSATT

−(Pole&Line 杉林):栗山様はエンジニアでありながら採用も担当されていますが、SATT社様で働く面白さはどのあたりにあると感じられていますか?

栗山様:

いくつかの要素が組み合わさって弊社独自の面白さになっているのではないかと思います。
会社の規模がものすごく大きいわけではないので、色々なものが自分たちで変えられる、言ってしまえば会社文化すら変えられる環境です。
また、自社プロダクトを持っており、お客様との距離が近いというのも特徴です。例えば「受験」という大きなライフイベントにおいて親御さんとの強力なタッチポイントがあるので、そこを起点に色々なことが仕掛けられます。
そういった複数の要素の掛け合わせで面白さを実感しています。

−(Pole&Line 櫻井):採用面において待遇や条件はすでに根付いているものがあり、変えることが難しいとされています。栗山様から見て自社の文化を変革していくためのトリガーはどのあたりにあるとお考えですか?

栗山様:

何か変革を起こそうとした時に変化に慎重な声はあるが、自分自身がやると決めたらやって、周りも賛同してくれるのであればいくらでも推進していく、そういう環境だと思います。ただ、どの会社も同じだと思いますが、これまで根付いていたものを変えるとなると各セクションで一定の防衛本能のようなセキュリティは働きます。短期間ですぐに変わるものではありませんが、徐々に社員の意識は変わってきていると感じています。

採用の文脈でお話をすると、今は総務の中の一機能として採用人事機能があります。自社内でRPOの成果に対する認知が広がっていけば、より広い採用領域でRPOを活用しよう、より深い企業課題からPole&Lineさんに相談させてください、と全社のムードは自ずと変わっていくと信じています。

提案の積み重ねが受け身の採用から攻めの採用へ

−(Pole&Line 杉林):RPOサービスを利用しようと思ったきっかけを教えて下さい。

栗山様:

先ほど申し上げたように私自身が会社の中でかなり長いキャリアを持つ人間になってしまっているので、上層部とも結構ラフにお話ができる環境にいます。そのような中で自身のエンジニアチームの育成の取り組みを行っていたところ、「どうせなら全社的にやってみないか?」と言ってくれました。そこから採用の仕事に携わるようになりましたが、当然エンジニア業務も行いながらでしたので、時間があれば片手間でやるという状態がしばらくは続きました。

未経験領域である人事領域の学習や情報のキャッチアップをすることにそこまで時間を割けていないというモヤモヤがずっとありました。世の中の人事を本業とされている方と比較した際に圧倒的に色々な判断軸が劣っている状態でこのままやっていいのかと不安でした。そのため、プロフェッショナルな方と一緒に組みたいなと思い、RPOサービスの導入を考えるに至りました。

−(Pole&Line 杉林):多くのRPOサービスを検討されたのではと思いますが、その中でPole&Lineを選んで頂いた理由をお聞かせいただけますか?

栗山様:

複数社のサービスを比較検討していました。その中でPole&Lineさんを選んだのは、弊社側の課題感をお伝えした際に、「これはやめておいた方がいい」とか「ここは絶対丁寧にやった方がいい」とはっきりお伝え頂けたことが大きな理由でした。私自身が人事領域の知見が足りていないと感じていたので、採用パートナーとしての絶対的な安心感がありました。
その他の会社は、どちらかと言うとじっくりこちらがやりたいことをヒアリングした上で時間をかけて組み立てますよ、という会社が多かったです。

−(Pole&Line 櫻井):RPOサービスを活用してみて当初想定していなかった効果はありましたか?

栗山様:

最初は単なるスカウトの代行や採用に関わる各種作業の代行をお手伝い頂いていたのですが、少しずつ課題の認識を共有できるようになっていきました。そうすると、「これもやった方がいいんじゃないですか」と言って頂けるようになりました。そういった提案が積み重なり多くのアクションが生まれた結果、現場の人が直接採用に関わる頻度が上がったり、場合によっては自分たちで採用を主導すると言ってもらえる部署が出てきたり、全社での採用への向き合い方が変化していると実感しています。

現場に存在した「採用は自分たちがやるものではない」という壁がいくつも壊せたことが非常に大きかったです。ダイレクトスカウトも元々は未着手でしたが、現在はそういった打ち手が自然とできるようになっています。Pole&Lineさんに伴走していただいていなかったら、掲載求人を出して応募者を待つという受け身の採用が続いていたかもしれません。そういった世界からは全く違うところへ連れてきて頂きました。

人の成長を教育から支援する会社へ

−(Pole&Line 櫻井):ありがたいことに約3年間、御社の変革を間近で伴走させていただきました。今後、Pole&Lineに期待することがあればお教えください。

栗山様:

人事戦略を一緒にやりたいですね。すでに弊社の内情も熟知されているので、色々なことに共に挑戦できるのではと感じています。
また、競合との明確な差別化要素を作り、それを採用にも反映していけるサイクルを作りたいと考えています。テクノロジーの進化の影響で事業の変化のスピードは急速に上がっている一方で、人の成長が追いついていないのではないかと私は思います。昔なら事業が変化し、そこに対応して人が成長して、というのを繰り返していく比較的緩やかなサイクルだった。しかし、これだけ事業の変化のスピードが速いとなると人の成長が追いつかない。結果的に人材が企業の要件に追いつけず、採用の難易度が非常に上がっていると感じます。

そのため、確実に変化に耐えられる成長や学習が必ず含まれている業務環境が作れるといいなと思います。体感的に3年で習得してきたものを今は3ヶ月で習得しなきゃいけないというケースなどもある中で、じっくり研修をやったりするのは今の時流にマッチしていないんじゃないかと思います。弊社は教育の会社なので、このあたりを解消できるプロダクトを作れると、より存在感を示せるのではないかと感じています。そういった強みを採用にも反映していけると今よりもっと魅力的な会社になると考えています。

−(Pole&Line櫻井):ありがとうございます。採用だけでなく、ご希望いただいている人事戦略でもご支援できるように引き続き全力で伴走させていただきたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

インタビュアー

櫻井 崇之

教育業界を経て2016年より人材業界へ。主にRPOとして、人材要件の設計からダイレクトソーシングや選考まで幅広い採用業務を担います。
https://pnl.co.jp/team/takayuki_sakurai/

杉林 一哲

ヘルスケア、ITといった成長産業領域を中心に、経営幹部や専門職ポジションの採用戦略、組織設計、ポジション設計等から採用成功まで伴走します。
https://pnl.co.jp/team/kazuaki_sugibayashi/